そもそも相続登記ってなに?

不動産の所有者が亡くなった場合に、不動産の登記名義を亡くなった方(被相続人)から
相続人に変更する手続きを「相続登記」といいいます。
相続を原因とする不動産名義変更ということです。


Q1 市町村役場に死亡届を出しても登記名義はかわらないの?
固定資産税の支払いを自分ですることになったら登記名義も変わっている?

【回答】
市町村役場などに死亡届を出しても、登記名義は変更されません。登記簿は国の機関である法務局(登記所)が管理していて、登記名義を変更するには原則として当事者が法務局に相続登記の申請をする必要があります。
このため、固定資産税納税通知書の送付先の変更手続きや相続人代表届を市町村役場に提出しても登記名義は変更されません。

Q2 登記名義はどうやって確認すればいいの?

【回答】
最寄りの法務局で交付される「登記事項証明書」で確認できます。

Q3 相続登記はいつまでにする必要があるの?

【回答】
相続登記そのものには、「いつまでにしなければならない」との期限はありません。
しかし、相続登記をしないで放置していると、不動産の権利関係が不明確となり、結果的に危険な空き家の増加や所有者不明の山林を生み出すきっかけとなってしまい、思わぬトラブルに巻き込まれることもありえます。
なお、相続登記とは別に、税務申告(相続税等)や家庭裁判所における相続放棄の手続きには期限がありますのでご注意ください。

Q4 亡くなった親名義の自宅に住んでいます。
私が相続することで兄弟も納得しています。親の権利書(登録済証・登記識別情報)も持っているので、当面は相続登記はしないでおいても問題ないの?

【回答】

相続登記をしないでいたために、問題が生じることがあります。
亡くなった親名義の権利書がたとえ手元にあったとしても、亡くなった親の権利書を利用して、不動産を売却することや不動産に担保を付けてお金を借りることは原則できません。
仮にその不動産に住んでいても、また権利書を持っていても、他の相続人の協力なくして、自分の名義にすることはできません。

Q5 登記手続きは誰に頼めばいいの?

【回答】

登記という手続き普段あまりなじみのない手続きだと思います。
また相続登記の手続きとなると様々な法的知識も必要となります。そこで、当事者代わって登記手続きをすることができるのが司法書士です。
登記は重要な財産に関する手続きであるため、誰でも代理できるわけではありません。
司法書士は法律で「登記に関する手続について代理すること」を認められた国家資格であり、登記手続きのプロです。


最後に

何十年も相続登記を放置した結果、余計な費用と手間が必要となり、結果的に名義変更が困難な事態となることは珍しくありません。
何代も相続が放置されてきた場合に、苦労するのはお子さんやお孫さんたちの世代です。
今、あなたがすぐには必要でないと思っていても、自分のためだけでなく、未来に家族のためにも相続登記は速やかに済ませましょう。

相続登記の必要書類

遺言書がない場合など、相続人による話し合い(遺産分割協議)により誰がどの財産を相続するか決める方法があります。
この場合は、法律で定められている相続人(法定相続人)に該当するのが誰であるかを特定するための戸籍・除籍謄本等をはじめ、様々な書類を揃える必要があります。
基本的に必要となる書類は次の通りです。

遺産分割協議に基づく相続登記の必要書類

① 故人の出生から死亡までの戸籍・除籍謄本
② 法定相続人全員の戸籍謄本
③ 故人の住民票の除票
④ 不動産を取得する相続人の住民票
⑤ 法定相続人全員の印鑑証明
⑥ 遺産分割協議書
⑦ 評価通知書又は評価証明書

相続登記申請時には登録免許税を納付しなければなりません。
税額は固定資産評価額の1,000分の4です。

※不動産所在地の市区町村の税務課や資産税課で取得することができます。

なお、遺産分割協議に基づく場合のほか、遺言書がある場合や相続人が相続放棄をした場合など、個々の事業によって必要となる書類は異なります。
ご不明な点は、司法書士電話無料相談「登記手続」または「相続」をご利用いただくか、最寄りの司法書士にお気軽にご相談ください。